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2012年7月 2日 (月)

かっちゃん

仕事の得意先(ガラスの修理)に養護施設があります。
ここには障害を持った子供たちがたくさん住んでいます。

中には近所の小学校に通っている子もいて、この養護施設にその小学校から小学生がよく遊びにきています。

勿論、遊びにきている小学生は障害のない健常な子です。

その何の隔たりの無い子供達を見ていて、自分の子供の頃を思い出しました。


私は小学校に幼馴染のヨッちゃんと学校に通っていました。
ヨッちゃんとは幼稚園も一緒に通っていたので、小学校ももちろん一緒。
でも、小学校に入学してから、親にもう一人近所の「カッちゃん」とも一緒に学校に行くように言われて、3人で通いました。

そのカッちゃんは知的障害のある子でした。
学校に着くとカッちゃんは特殊学級の教室へ。私とヨッちゃんは普通のクラスに。

もちろん小学校低学年のうちはカッちゃんが知的障害だと何となくわかっていても、何も変だとは思わず一緒に仲良く3人で通いました。

ただ、自分たちは仲良く通っていても、だんだんと周りからカッちゃんの悪口を聞くようになってくるもの。
気にしていないのに、周りはドンドン囲まれて行きました。

私はその周りに流され、カッちゃんと通うことは恥ずかしいことなんだと思い始めていました。
だんだん、カッちゃんをいじめる子たちを見て見ぬ振りをするようになり、朝、親の手前、迎えには行くものの、学校へ行く通学路は離れて歩くようになっていました。

でも、ヨッちゃんは違いました。
周りに流されることなく、カッちゃんと離れて歩いたり、恥ずかしがったり、することなく、いじめる子に、はむかっていったり。

当然、いじめる子はヨッちゃんも特別な目で見るようになり、陰口を叩く様になりました。

私とヨッちゃんとは親友だったので、離れることはなく、それでもカッちゃんを嫌がる私を理解してくれました。

ある日、給食の時間に回ってきたソースが垂れそうになったところをカッちゃんが「ペロッ」と舐めてしまいました。
これをみたクラスの仲間は大騒ぎ。「汚い」「気持ち悪い」・・・・

流石にカッちゃんも泣き出してしまいました。

するとヨッちゃんが黙ってそのソースをカッちゃんから受け取って、自分の給食にドバドバっとかけました。

そして、ボソッと、でも力強く「汚くなんかない」そう、言い放ちました。

静まり返るクラス。

それから、何と無くクラスが変わった気がします。

遠足でもカッちゃんを同じ班に入れて行動してくれる女子が出てきたり、その遠足でカッちゃんが持ってきたお弁当を落としてしまい「お母さんが作ってくれたのに、お母さんが作ってくれたのに」そうワンワン泣き出してしまった時、みんなが自分の弁当のおかずを分けて「これも食べて」ってお皿にのせてあげたり。

それでも私は周りの目を気にしてしまいました。

高学年になって、ヨッちゃんは親が家を買って少し離れたところに引っ越してしまいました。

私は・・・
カッちゃんと通うことがなくなり、他の子と学校に通いました。

中学まではカッちゃんは一緒でしたが、中学3年の就職する子の説明会に一緒に出たのを最後に卒業したあとはどうしていたのか知りません。
カッちゃんの家も貸家だったので大家さんが建て替えのために何処かへ引っ越しして行ったので、本当にわからなくなってしまいました。

大人になって、なぜ、ヨッちゃんの様に差別のない友達としてカッちゃんといれなかったのだろうか、そう胸が痛くなることがあります。

小学生には難しいことですかね。

一緒に通わせた親はそのことを教えたかったのでしょうか?
子供達には自分がしてしまったことを、して欲しくない、そう思っています。

数年前、偶然、街中でバス停でバスを待つカッちゃんを見かけました。
昔と同じように弟たちを面倒を見ながら、バスを待っていました。

元気で良かった。そう、心から思いました。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

朝から、胸に沁みる・・話でした。
子供時代の気持ちの持ち方や、気持ちとの葛藤・・
・・そうゆう、思いを経て来たからこそ・・今の、ガラス屋道場( a1you)さんが居られるんだと思います。
公職や消防団・商店街の役員などなど・・ボランティアに近い事を率先的にやって、尚 自営業をこなす・・立派だと思います。

投稿: 大山街道 | 2012年7月 3日 (火) 06時49分

 思わず涙が出てしまいました・・・

 子どもの頃の思い出話とはいえ、飾ることなく素直な気持ちでつづられた内容が自然と心にしみ込みワンシーンを鮮明に見ているようです

 貴重な経験ですね・・あとのお二人にとっても、なつかしい思い出として残っているのではないでしょうか・・

 遠足でカッちゃんがお弁当を落とし、「お母さんが作ってくれたのに・・」の言葉に、親御さんの愛情を一身に受けて育っていたことを強く感じました(涙)

 良いお話を、ありがとう~☆
 (もうすぐ、来客があります。気持ちを切り替え仕事に励みます・・)

   もっちゃん より  

投稿: もっちゃん | 2012年7月 3日 (火) 10時32分

大山街道様
そんなんじゃないんですよ、そんなんじゃ・・・
きれいごとを書いてしまった気がします。
今でも見て見ぬ振りをしてしまう、そんな大人なんです。

もっちゃんさん
カッちゃんには沢山の弟妹がいました(長男でした)
多分みんな障害がありました。
今と違って障害者は思い切り差別の対象だった時代です。
兄弟がみんな元気でいた、その事が、嬉しかったんです。
カッちゃんはお母さん大好きでしたからね。
コメントありがとうございます。

投稿: a1you | 2012年7月 3日 (火) 21時36分

涙が溢れてきて、止まりません。

私自身の小さい頃のいろいろなことを思い出させていただきました。

ありがとうございます。

投稿: 幸子 | 2012年7月 5日 (木) 14時20分

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