夏休み ツリーアドベンチャー「帯」
気がつくと、8m下の地上にはギャラリーがいっぱいでした。
既に「グリーンコース」の人たちは全員が完走し終わり、地上での応援団。
それから、林の散歩コースを歩いていた老夫婦や沢山の家族づれ、そして、ホテルの従業員さんが10人(
×10)ほど、木の下から長男に声援を送っていました。
「1本ワイヤーを渡ったので、後は怖いもの無し」
そう、係員のお姉さんは言っていましたが、本当の恐怖はこの1本ワイヤーを渡ったことで始まった気がします。
その1本ワイヤーの次は100ミリ角の木材6m。
(ワイヤー1本と比べたら10倍の巾があるんだから、平気だ!)とか思って足を一歩乗せた途端、角柱が揺ら~と左に流れました。
もう、これだけでパニック
再び、1本ワイヤーの恐怖が蘇えり、体中に力が入る。
これは長男も全く同じだったらしく、再び「お父さ~ん、渡れな~い
」となってしまいました。
自分が同じ感覚を共有しているだけに気持ちがわかります。
「頑張って吊ってあるロープに力を入れて、足元の角材が動いてもあわてるな~」とアドバイス。
ゆっくり渡り始める長男。
たった6m、でも、1本ワイヤーの恐怖が付いてくる6mは物凄く長いものでした。
やっと、私の元にたどり着き、次のハシゴを寝かしたような上を渡りました。
そして、次が問題。
今度は巾5cmの帯。その距離は1本ワイヤーよりも長い13mでした。
これが「帯」なのでワイヤーよりもくねくねするので怖い。
ワイヤー以上に慎重に渡りきったあと、長男の番。
一歩踏み出しましたが、たちまちステージに戻り「だめ~、渡れない~、どうしよ~」となりました。
下では無責任に大声援。かなりの人数になっていて、頑張れ、頑張れの大合唱!
もう、私にはアドバイスの言葉も、渡らせる手立ても思いつきません。
とにかく「ゆっくり、吊り下がっているロープをしっかりつかんで、1歩1歩進んで」としか言いようが無く、13m離れた場所からも体中が震えているのがハッキリ見えてしまいます。
あとで、聞いた話では、かなりの人がここでリタイヤしてしまうそうです。
(どうやって8mのステージから降ろすのかは想像が付きませんが)
それでも係りのお姉さんは「今まで1本ワイヤーを渡れた子供は全員最後まで行けるんだよ~。だから大丈夫1本ワイヤー渡れたじゃない
」そう声援を送ってくれました。
どのくらいの時間が経ったでしょうか?
ホテルの従業員さんなのか新入社員の研修中みたいな人たちまで見学(?)に来ていて、長男に声援を送り始めていました。
・・・
何が切っ掛けになったのか?長男は帯の上を1歩踏み出しました。
帯は大きく揺れます。
でも、ガタガタ震えながらも、1歩1歩と進み始めました。
林の中の声援は消え、セミの鳴き声だけが響いていました。
静かな、そして、物凄く長く感じた時間。
「やったー」そう叫ぶ私の腕に長男が飛び込んできました。
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コメント
私までドッキドキです
まだ続きますよね?
投稿: SuperNonNon | 2012年9月 8日 (土) 22時30分
こんにちは・・・
文章で・・ここまで・・ドキドキするのは・・実体験を書いて居られるからでしょうね。
お父さんの言葉・・・係りにお姉さんの言葉・・
それが、恐怖や・戸惑い・情緒不安定・・のスイッチがOFFされ・・無になって・・次に・進む勇気が出る・・
そんな長男さんの葛藤・心の中が・・見えるような気がします・・頑張れ
投稿: 大山街道 | 2012年9月 9日 (日) 14時37分
実は書いていて私自身そのときの情景が焼きついているので手に汗をかいてしまってるんですよ。もちろん続きはありますよ。
投稿: a1you(ガラス屋道場) | 2012年9月11日 (火) 19時27分