このガラスを今日修理してきました。
見てわかるように普通のガラスではありません。
「フロスト加工ガラス」
ガラスの表面を削って薬品で加工してデザインをつけたガラス
実はこのガラスをつくったのは今からかれこれ
8年前。
ラベルには「
2005年3月11日納品」と書いてありました
。
震災のちょうど6年前ってことですね。
8年前、このガラスの修理を依頼され、打合せをし、寸法を取り、見積りし、受注をし、発注をしました。
当時、このガラスは制作に2週間ほどかかり、この3月11日に納品される事がわかったので依頼主に連絡すると
「他の担当者(上司)が他の業者に依頼しちゃったので、キャンセルにしてください
」
と、突然言われてしまいました
。
当然、反論したんですが、大きな会社の上司の横柄な態度に頭にきて
、売り言葉に買い言葉でキャンセルを受けてしまいました。
材料代が売価で10万円越えのガラス
。
しかたなく、倉庫のガラスの棚にそっと仕舞いました。
何度か、邪魔なので捨てちゃおうと思ったんですが、「10万
」と言う金額がブレーキをかけており、あれから8年、ずっと棚の中に置いてありました。
それが、先週、突然の修理依頼
。
もちろん、あのころの上司や担当者は既におらず、事情を全く知らない今の担当者が電話をしてきて
「あの~
、特殊なガラスを割っちゃったんですけど、なるべく早く修理をお願いします
」
と言ってきました。
ひと言
「あるよ~
」
8年かかったこのガラスが、やっと本来の明るい場所に出られた瞬間がやってきました。
8年前の悔しい気持ちとそんな事を全く知らない今の担当者。
こっちは、8年かかって納品でき、向こうは予想外の早い修理に双方が喜んだ修理となりました。
まあ、もうかったわけではありませんが